「ひっ‥‥‥く‥‥‥」


花音は、座り込んで泣いていた


そんな花音を見てきゅっと
胸が痛くなるのを感じた


ぽん。


座り込んで、花音と同じ
身長になり彼女の小さな
頭に手をおく。


「斗‥‥‥真」


顔をあげて、ボロボロ泣く花音。


そして俺は言った


「頑張ったな。」


どれだけ辛かったのだろう


好きだったやつが結婚してしまって


今の花音の気持ちは痛いほどわかり、抱きしめてしまった


「ふぅぅ‥‥‥ぅぇぇ‥‥‥」


言葉にならない声で花音は
俺の胸の中で泣いた


頑張ったな。花音。


ぎゅっ‥‥


花音を抱きしめる力が強くなる


ただ、抱きしめるだけで
なんの言葉もかけられなかった


ただ、側にいるだけ‥‥


そのことがなんだか悔しくて
もどかしい。


いつも気が強い花音が今日だけは
やけに弱く見えた。


涙の結婚式


今日のことに名前をつけるなら
ぴったりな題名。


今日は、忘れられない。


俺にとっても辛い日になった