ふわっ。


「え。」


首に何か温かいものがかけられた。
斗真のマフラーだ。


「ちょっと。いらないよ」


「いいからしてろよ。風邪なんか移りたくないし」

「もう。」


素直じゃない


そう思って微笑む。


バレバレだよ。


ほんとに引きたくないなら
私にマフラーなんて
貸さなきゃいいじゃない


貸してくれたマフラーを
両手で触れてみる


温かい。


まるで斗真に守られているみたい。