「あの時の斗真くんかっこよかったわ〜。花音ちゃんをお姫様抱っこして運んでたのよ。」


全く覚えてないけど
想像すると顔が赤くなる。


この時の私は気づいていなかった


もう既に失恋の傷はなくなっていることに










長い夏が終わり、季節は
秋になろうとしていた



校門を通るとイチョウの葉が
舞い降りてきて秋になったと
実感する。


「花音ー。」