有にノート借りれば楽勝だろう、とセコイことを考えていたあたしだけど、

既に提出した優等生たちのノートは、まだ教科担任の元から返って来ていなかった。


さすが大人、高校生の考える事をしっかりと分かっていらっしゃる。


つまり、自力でやれというメッセージが込められていたのだった。


長い休みを使ってコツコツこなす用に作られた課題を、情けないけど全く手を付けていなかったあたしが数時間やそこらで終わらせられるわけがない。


今日はちょうど金曜日。


週末の土日で下校時刻までに終わらなかった分を終わらせて、月曜までに提出するようにと言い渡されてしまった。







その日の帰り道。


いつものように服部と自転車を並べて歩いていると、服部がこんな提案をした。


「残った課題、一緒にやる?」


服部も、あたしと同じで課題を終わらせることが出来なかったクチだ。


ちなみに言うと、日向と世良くんは言わずもがな、結と葉山くんまでちゃっかり提出済みだった。


1人じゃ絶対後回しにしてしまうと分かっていたので、あたしは迷わずその提案に乗っかった。


「どこでやる?」と訊くあたしに、

「図書館でいんじゃないの」と服部が答えた。


「じゃあ今から行こう!」


「ハァ? 今から……ってもう6時回ってるけど」


「そうだったーーーー」


思い立ったら即行動がモットーのあたしだけど、残念ながら近くの市民図書館の閉館時刻は午後5時だ。