小さなキミと




時は過ぎ、中学生になった服部は同じクラスに田辺を見つけた。


勇気を出して声をかけると、田辺も服部を覚えていた。


容姿が自分と似ていると思ったのは、服部の側だけではなかったようだった。


だけど最近コンタクトにした服部に、初め田辺は気付かなかった。



ほぼ初対面の田辺に振った話題は、くしくも例の交流会でのお節介女子たちについて。


服部にはそれしか共通の話題が思いつかなかった。


会話が進むにつれ、田辺もあのタイプの女子との交流は苦痛だったということを知った。


お互いに人見知りを発動したせいで、交流会ではほとんど声を発しなかったため、

これが服部が田辺と交わした最初の会話になった。


価値観が似たところがあって、気が合いそうだ、というのがその時の田辺に対する印象だった。




服部は、日を追うごとにどんどん田辺と仲良くなっていった。





遠慮までもが綺麗サッパリなくなった、1年生の終わりがけ。


服部は田辺から一大決心を告げられた。


『クラスが変わる前に、告白する』


誰に、というのは服部には見当がついていた。


直接聞いた訳ではなかったが、

話に出てくる頻度の多さや彼女に対する態度で丸わかりだった。


彼女はどっちかというと地味で、大人しめの女の子だった。


女子の中でも小柄な方で、未だに身長が伸び悩む服部よりも彼女は小さかった。


(ちなみに田辺はこの1年でグングン伸びたので、服部とのチビ同盟は早々に反故(ほご)になっていた。)


服部にとっては、彼女はただ同じクラスにいるというだけの存在だった。


田辺が気に入っている女子だというオプションがあったので、全く無関心な訳では無かったが。






結果を端的に言うと、田辺の恋は実らなかった。