小さなキミと


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服部奏也が田辺という男子生徒の存在を知ったのは、正確には小学6年生の終わりがけの時期だった。





その日、4月から同じ中学校に通うことになる、2つの小学校の6年生同士で交流の機会が与えられた。


場所は、服部の通う小学校の体育館。



事前に作った手書きの名刺を交換して、それをキッカケにお喋りしましょう。


班ごとにまとまって行動しなさいね。



人見知り気味の服部にとって、それは交流という名の地獄だった。


気心の知れた友人たちは班が違ったし、幼馴染の葉山圭とは同じクラスですらなかった。


それに悪いことに、服部が最も苦手とする人種が同じ班員の中にいた。


当時のクラスのリーダー格の女子、3人組。


服部は、まとめてその3人全員と同じ班だったのだ。


(それに関して、裏で何らかの陰謀が働いていたというのは後から知った。)


彼女たちは揃いも揃って仕切りたがりで、お節介で、やたらと世話を焼きたがるたちだった。


常日頃、自分としては放っておいてほしいことまで干渉されるので、

彼女たちは服部にとって、かなり鬱陶しい存在だった。





最初に交流を持った相手小学校の班の中に、田辺はいた。


チビでメガネでひょろっちい。


自分を完全に棚に上げた評価だが、

つまりは自分と似ているということで、服部の印象に残ることとなった。


服部も当時、田辺と同じくメガネをかけていた。



女子たちは無口な男子たちを放っておいてはくれず、時々話のネタにされた。


マシンガントークや女子のノリが苦手な服部には苦痛でしかなく、

早く時間が過ぎることばかりを願っていた。