だからため息をつきたいのはわたしなんだってば。
「三城さん。あなたの言ってることは一理あります。けど、結局自分の子供をどこの幼稚園にいれるか決めるのは親御さんなんです。そもそも、その親御さんの一言で学園になにかあって困るのは、ここに来るのを楽しみにしている子供たちなんですよ?」
そう、言われてしまうと何も言えなくなる。
「もう、これ以上議論することはありません。理解できなくとも理解してください。それでは、今までご苦労様でした」
「ちょっと!」
園長はその言葉を言い残すと、部屋を出て行ってしまった。
三城楓(ミキカエデ)25歳。
大学を卒業し就職して3年。
明日から無職になります。



