私が勤めるこの幼稚園は、大学までエスカレーター式で芸能界や政治界など各界のお偉いさんの子供やお孫さんが通う有名幼稚園。



その為、親御さんにはプライドが高い方や生まれてこの方ずっとお金持ちという方が多く、一般的に普通のことでも大きな問題になることが多い。



確かに、怪我をさせてしまったのは私の責任もある。



でも、子どもの頃はいっぱい泣いて、けんかして、怪我をして色んな痛みや喜びを知ることで素敵な成長が出来ると私は思っていた。



実際私の小さい頃がそうだったから。



「なら、ご理解頂けましょう。1人の親御さんの怒りに触れてしまうことでこの学園がどうなってしまうかも」



「この学園に通う子達の親御さん達のことは理解できます。でもこんなのおかしいですよね?大事なのは子供たちじゃないんですか?親御さんたちの機嫌取りではないですよね?子どもたちから言われるなら分かりますけど!」



おかしいと思ったことは直ぐに口にしてしまう性格の私は思わず反論してしまった。



そんな、私をみて園長はため息をついた。