「うわぁ…」



翌日、由紀兄に教えてもらった雇い主【 榎本 葵 】さんの住所に向かうとそこは高級住宅街にあるタワーマンションだった。




もらった住所をみて何となく予想はしていたけど流石にここまでとは思っていなかった。




一階は左側に高級スーパーがあり、左側のドアがマンションへの入口となっている。



左の入口からエントランスに足を踏み入れるとそこは何処かのホテルのロビーかと思うくらい豪華な造りになっていて、所々にソファーが置いてあった。



それも、私みたいな庶民は簡単には座れないような雰囲気を漂わせている。



ふと視線を感じて振り返ると、不審者でもみるような警戒した目つきで見ているのは駐在のコンシェルジュ。




早足でエントランスを抜け、合鍵でオートロックを解除するとエレベーターに乗り込み目的の階のボタンを押した。




なんか、凄い所に来てしまったみたい。