屋根裏部屋の窓から見る星は、すごく綺麗で、キラキラ綺麗で。思わず“あの唄”が歌いたくなった。きらきら星は歌えないくせして、あの曲は全部歌えるの。昔から大好きだった、あの歌だけは。






‐act.11‐




満月の周りで遊ぶ星達を眺めた。

珍しく羊を何匹数えても眠れなくて、あっという間に午前3時の真夜中。電気も付けず、真っ暗な部屋を月灯りが微かに照らした。

あたしはその部屋の隅に置いてあった箱を漁って、あるものを取り出す。





「お星様ゆびわ…」





それはあのオルゴール。

勝手に命名した“お星様指輪”は一体誰の物なのか、何故持っているのかもわからない。けど凄く懐かしくて、胸が痛むのは気のせいなのかな。






「ネジは、…っと」





ネジを目一杯廻すと、静かに窓の木枠に置く。

そして開くと、月明かりの光を浴び、指輪は星のようにキラキラと輝く。

綺麗な音色が真夜中の静寂に溢れだした。


ゆっくりと響く、その音色。


それに合わせて口を開く。下の部屋で眠る亮を起こさないように小さく小さく声に出して。

唄となって響くのは、星に願いを。