「鐐、久しぶりだね。長旅は疲れただろう。丁度、夏休みなのだろう?当分の間はゆっくりしていくと良い」 「はい、お気遣い頂きありがとうございます」 先程、梓苑様を止めたこの方は、梓苑様の父、''星咲 黎苑''(ホシサキ リオン)様。 この家の主人で世界トップクラスの会社の社長などをしている、私の尊敬する人の一人だ。 綺麗な飴色の湯気が立ち昇る、紅茶を口に含む。 あの人また腕を上げたなと思いながらこのひと時を堪能する。