まぁ、どちらにしろ。


パーティーは城之内くんの家でやるから、マフラーも手袋も移動中だけなんだけど。



「……みるく、また加々尾のこと考えてるの?」



冷たい手同士を擦り合わせていると、結菜ちゃんが少し顔をしかめて言った。



寒がりな結菜ちゃんは、マフラーと手袋だけじゃなく、ニット帽に耳当て、カイロ……。


寒さの防御対策、ばっちりだ。



「いい加減、あんな奴のことなんか忘れなよ。」


「うん……。」



結菜ちゃんの言葉には頷くあたしだけど、きっと無理だよ、結菜ちゃん……。


加々尾くんを、忘れるなんて……あたしには出来ない。


だってあたし、加々尾くん大好き病だもん……。