今回俺がやったことは、アイツを泣かせる程のことで。


俺がやったことは、自分の女を泣かせる程の、最低なこと。



「……千尋、想うだけじゃあかん。伝えな、あかん。」



この時ばかりは、城之内は俺を“千尋”と呼んだ。



「何を、伝えろって言うんだ……。」


「みるくんがホワイトデーや昼休み、オレやゆいなん達と過ごすのが、千尋気にくわんかったんやろ。」


「…………。」


「それを全部、みるくんに言えばいいねん。みるくんかて、ホワイトデーも昼休みも、大好きな奴と過ごしたいに決まっとる。」



城之内が長々と話す間、俺は始終無言だった。



「ほな、オレ教室戻るわ。みるくん、今のところパーティー参加やから、頑張って説得しいよ?」





“大好きな奴”……。


百瀬……。

お前は誰が好きなの?