いつもの中庭。


いつも、俺と百瀬が並んで食べる場所で、俺は寝そべる。



真っ青な空に、真っ白な飛行機雲。



そのまま空を見続ける俺の上に、黒い影が出来た。



「……今のは、やり過ぎとちゃうん?」



独特な話し方。


それが無くても、何となく気配で分かってしまう。



「みるくん、お前の為に一生懸命作ってくれたんやって。何であんなことしたん。」


「…………。」


「みるくん、泣いとったで。」



……言われなくても、分かってる。


お前なんかに言われなくても、知ってる。



百瀬がいつも朝早くから、慣れない料理を一生懸命していることも。


脳みそ空っぽみたいな頭して、実は結構、何かと考えていること。


いつもは笑顔だけど、小さなことで泣き虫になること。