ミーンミンミン……


セミの声がうるさくなってきた、夏の日。



私たちは、公園の中の秘密基地みたいな、秘密の場所に来ていた。


木に囲まれた、小さな場所。

公園の階段を下りて狭い道を通るとある。

見下ろすと、違う団地の公園もある。

こんな小さな場所だけど、仲良しグループだけの、秘密の場所だった。

中学になって秘密基地なんて、馬鹿みたい……。

そう思っても、私たちにとっては、一番落ち着く所なんだ。