左腕からは、血が流れていて。


痛みもあったと思うけど、

全然痛くなかった。


………だって、心の傷の方が痛かったから。



『千尋、ご飯よ』


下から呼んだお母さんの声に、カッターを机の中に戻し、左腕にばんそうこうを貼る。



『はーい』


なんて、明るい声出して。




もう、仲良しグループがいるから、しないけどね。