君が嫌いで…好きでした


奏叶とも分かり合え私達は楓のお墓参りに向かっていた

繋がれた手が暖かくて心地よかった
そして奏叶への気持ちが少しずつ大きくなっていく
今、奏叶と一緒に歩んでいるのが一番嬉しく感じた


千菜「奏叶、あそこのお花屋さん寄ってもいい…?」


奏叶「うん」


奏叶達に店の外で待ってもらって私は楓のお墓にあげる花を買った


千菜「ありがとう」


湊「それなんの花?」


千菜「カエデの花なの」


湊「カエデって紅葉みたいなもんだろ?花なんてあんの?」


千菜「うん。楓は自分の名前が楓だからカエデが凄く好きで…毎年お墓参りの時はここでカエデの花を買ってから行くの」


奏叶「カエデの花なんて初めて見た。小さい赤い花なんだね」


千菜「花言葉は大切な思い出なんだって…だから私にも特別で…」


奏叶「そっか。」


湊「にしても複雑だろうな。千菜の兄貴は」


奏叶「なんだよ突然」


湊「久しぶりに会ったら彼氏が出来てたとか。たった1人の妹を大事にしてたんだろ?どうする?嫌われて呪われたら」


イタズラそうに笑う湊


千菜「奏叶なら楓も気に入ってくれると思う…だって私の好きな人だから」


奏叶「だってさ♪」


湊「何嬉しそうな顔してんだよ」


奏叶「お前も早く彼女作ったら?」


湊「うわぁ…余計なお世話だよ。それに俺まだ千菜の事諦めてねぇからな」


奏叶「はぁ!?」


湊「冗談だよ。焦りすぎ」


湊はケラケラ笑っていた
そうこうしてるうちに楓のお墓がある墓地に着いた


千菜「ここ…お墓…」


私はしゃがんで買ったカエデの花を飾り、そっと手を合わせた


何回目のお墓参りになるんだろう
いつもいつも気が重くて…ただ悲しくて
手を合わせても思うことはどうして死んでしまったのか…なんで私だけ残されたのか…私も連れていって…そんな事だけだった


今もやっぱりすごい悲しい
でも今はあの時助けてくれてありがとうって。私は頑張って生きるよって伝えられる

だって今、私の隣には奏叶と湊が居てくれるから…伊藤先生みたいに支えてくれた人が居るから…


すると奏叶と湊も私の隣にしゃがんで手を合わせた


奏叶「初めまして楓さん。七瀬奏叶です。千菜と付き合わせて貰ってます」


千菜「奏叶…?」


湊「千菜の友達の野々村湊です」


千菜「湊…?」


奏叶「千菜はいつも人の事ばかりで自分の事責めて泣いてます」


湊「泣き虫で弱虫の癖に一生懸命な奴で本当世話が妬ける」


奏叶・湊「だから俺達がしっかりしなきゃいけないって思ってます。」


奏叶「だから…安心して眠ってください」


奏叶…湊…!
気がつけば2人の言葉が嬉しくて涙がこぼれていた


湊「また泣いてんのかよ」


奏叶「千菜?大丈夫?」


お兄ちゃんのお墓の前で誓ってくれた言葉…2人の気持ちが凄く嬉しかった…


千菜「2人とも…ありがとう…」