天使が舞い降りるまで

お母さんの涙が止まってから、医者は今後の治療法について話し始めた


どれほど過酷な道のりなのか、十分すぎるほど分かった


医者は『強い精神力が、完治への道です」と言った



でも…


私のどこにそんな精神力があるのだろう…

今でも自分が病気だなんて思いたくもない私に、乗り越えらえるのだろうか…



不安でたまらなかった。

今すぐ泣き出したかった。


でも、そんな事をしたって周りを困らせるだけ


そんなことは絶対にしたくなかった


だから私は絶対に人前で泣かないように、不安でいっぱいのこの感情を胸に押し込めた



そして気を紛らわせるように、医者の話だけ考えた


「美帆さんすぐにでも治療を始めなければなりません。」


私は何度目かになる言葉を耳にした


「今日からの入院をおすすめします」



私は少しだけ、ほんの少しだけ希望を残していた…

『まだ大丈夫』と誰かが言ってくれるんじゃないかと…


そんな小さな希望は、今



打ち砕かれた…