天使が舞い降りるまで

数十分程して私たちは病院内に戻った


戻るとすぐにに医者に呼ばれ、検査結果を言い渡された


「古田美帆さんはやはり、悪性の脳腫瘍でした。まだ腫瘍は小さいですが、油断はできません。」



『油断できない』この言葉が胸に突き刺さった…



「美帆さんの腫瘍は先日申しましたように、手術の難しい位置にあります。なのですぐにでも、抗がん剤での治療を行っ…」


医者の言葉が止まった


お母さんの目から大粒の涙が零れ落ちていた…


「先生……、美帆を助けてください。この…子は…まだ16…歳なんです」


お母さんは涙を流しながら、一言一言言葉をつっづた…



医者はそんなお母さんを見て、何かを決意したように話し出した。


「美帆さんは私が必ず助けます。ですから、お母様にも美帆さんを支えてあげてほしいんです。」



『必ず助けます』言われて心強いはずなのに…

言ってほしかった言葉なのに…


この時の私の中にある不安は、少しも減らなかった…



そのあと、医者は私に向かって「一人じゃないからね」と言った。

それでも私は、不安でいっぱいだっった…


どんな言葉をかけられても、うれしくない

どんなに励ましけもらっっても、不安は減らない


自分がおかしいんじゃないかと本気で思うほど

私の心には何も届かなかった