天使が舞い降りるまで

医者は『すぐにでも入院したほうがいい』と言ったけれど、私たちはいったん帰ることにした。



学校のことや、今後のことを考えるために。



いつもにぎやかな家族が今日は静まり返っていた。


いつも優しい顔をしているお父さんは、険しい顔をしていて…

笑顔がチャーミングなお母さんは、涙を流していて…

天真爛漫に笑う弟の晃輔は、今にも泣きそうな顔をしていて…


水を打ったような静けさが、私たちを包んでいた。



私はというと、いきなり起きた出来事に理解が追い付かなかった。


お父さんとお母さんは、心配そうな顔をしながら、『大丈夫、美帆は絶対に治る』そう言ってくれた。



詳しい検査は2日後


そこで私の運命が決まる。



こんなことが起きるなんて、最近まで思ってもいなかったのに…


私の心はまさに、



絶望一色だった…