天使が舞い降りるまで

初めて聞く言葉に私は驚愕だった

有名だなんて、初耳なんだけど…

「もしかして、自分が有名人だってこと、今まで知らなかった(笑)?」

また当てられた…

私はまた、気持ちが表情に出ていたらしい

そんなに解かりやすいのかな?私

「なんで知ってるんですか?それに、そのミスコンは有力候補者が風邪で休んでたんで、本当のミスコン優勝は私じゃないんですよ?」

私は当てられてばかりは癪に触るので何も答えずに質問した


それに…

あのミスコンは正式なものではない

その年にやりたい人が計画を立てて、自由参加のコンテスト

そんなのに出る気はなかったのに、親友ともいえる友達が勝手に私の名前を出した所為で出るはめになった…

今思い出しても、あれは信じられない行動だった…

行動力がありすぎる…

悪い意味で(苦笑)


「それでも、すごいよ。なんてったって、他の学校にまで名前が届くんだからさ。俺もびっくりしたよ。大人っぽすぎて同じ年齢だとは思えなかったからね(笑)」

「そんなことないよ。ほんと大人っぽいっていうか、落ち着いてるっていうか…」

「態度がでかいだけだよ(笑)美帆の方がすごいよ」


本当にすごくなんてないのに…

あんなコンテストなんて…

「なんかあった?」

「ううん。何にもないよ」

私は嘘をついた

「何にもないっていう顔じゃないけど?」

本当に人の表情をよく見てる…

「ほんとに何にもないよ」

「まぁ、話したくなったら話して。ね?」

「うん…」


私は曖昧な返事しかできなかった

それは話したくないってわけじゃない…

今になって思い出したんだ

自分には今度という言葉がないことを…

これが上杉さんと会えるのが最後になるかもしれないことを…