天使が舞い降りるまで

「もう一度質問していい?」

「何の?」

さっきまで敬語で話していたから、タメで話すと変な感じだ(笑)

「ほんとに、ほんとに高1?」

彼は…いや…ここからは上杉さんと呼ぼう

上杉さんは真顔で聞いてきた

そんなに高1に見えないのか?私…

「うん。上杉さんと同じ高1だよ?」

「信じられないな。周りから高1に見えないとか言われてたりする?」

そんなこと、今日初めて言われた

「そんなこと言ってるの、上杉さんだけですよ?」

「俺の目がおかしいのかな?」

真面目に悩み始めた(苦笑)


ほんと、上杉さんって変わってる…

でも…

一緒にいて楽しい…

今日初めて会った人なのに、どうしてこんなにも心が落ち着くんだろう…


「あっ、そういえば名前何ていうの?年齢にびっくりしすぎて、名前聞いてなかった(笑)」

「古田美帆っていいます」

上杉さんはまた驚いたように、口を開けたまま動かなくなってしまった…

どこにびっくりする要素があるんだろう…

「もしかして、S高の古田美帆?」

「そうですけど…なんで私がS高ってわかったの?」

私は本当にびっくりした

初対面の人に一発で高校の名前が当てられるなんて思ってもみなかったから…

「どうして?」

私は上杉さんにもう一度、聞き返した

「なんでって、『古田美帆』ってゆえば、S高のミスコンで優勝したことで有名じゃん」