天使が舞い降りるまで

私が少しだけ落ち着きを取り戻すまで1時間程かっかた

その間、医者とお母さんはずっと待っていてくれた

医者には他にも患者さんはいるのに、ずっと待っていてくれた
忙しいはずなのに…


だからかもしれない、

私が少し落ち着けたのは…

医者やお母さんの時間をこれ以上使わせては駄目だと、私の中に残っていた少しの理性が気づいたのかもしれない


私はあの時言えなかったお礼を言いたい
「ずっと待っていてくれてありがとう」と…


落ち着けたのはよかったけれど…
落ち着けたのと同時に、とてつもない不安に襲われた

それは私が落ち着いてできた心の隙間を埋め尽くすように…
私の心を不安で満たしていっった…


それでも私は一滴の涙も流さなかった


強がりでも、作り笑顔でも何でもいい

お母さんに、これ以上心配をかけたくない

そのために心に一杯なった不安を無理やり押し込めた


そして、私は最後まで一滴の涙も流さずに病院を出た


外に出てみると、桜の花が散っていた
私の代わりに泣いているかのように…