中学に入学しても、無口 無表情 無感情は続いた。別に友達もいなかったから無口を続けても何の必要もないけど、それでも私は続けた。「私が何もしなければ、誰も不幸にならない。」ずっとそう思っていたから。いよいよクラスに居辛くなって、学校に行くのをやめようかと悩んでいた13歳の秋-。私は先生から1枚のメモをもらった。そこには「困っているんだったら、相談室に行きなさい。無理してクラスに来る必要はない。」と書いてあった。私は正直驚いた。先生はこの半年間ずっと私を見てくれてたんだ…。とりあえず私は相談室に行く事にした。
「何があったの?」と穏やかな表情で先生は迎えてくれた。
「・・・・・。」私は話せないからしばらく無言のまま突っ立っていると
「まぁ、とりあえず座ってお茶でも飲んで?」と言って私をいすに誘導した。渡されたココアを飲んでると穏やかな表情のまま先生が言った。
「無理に話せとは言わないけど、ここに来た理由だけでも教えてくれないかな?話せないんだったら、この紙で私と会話しましょう?」私は差し出された紙を受け取って、バックの中の筆箱からシャーペンを1本、取り出した。書こうと思って紙を見た瞬間、ハッとした。柄が風船柄だったから。私は紙をひっくり返して裏面に、「違う紙、ありますか?風船柄じゃないやつがいいです。」と書いて先生に出した。