侑依8歳-。父親と久々の遊園地。父親に肩車をしてもらって笑ってる時に事件は起きた。
「パパ平気?侑依、重くなぁい?」
「侑依位、パパは簡単に肩車でるぞ!」
「そっか!パパだもんね♪」その時だった。
「う゛。侑依、パパちょっと疲れたから休んでもいいか?」
「うんっ。パパ、大丈夫?」
「大っ…丈夫。ハァハァ」父親は私を降ろしたら、地面にしゃがみ込んでしまった。
「パパッ?パパッ?!」明らかに疲れただけじゃないと私は悟った。
「うっ!侑…依っご、めん…なぁ…。パパッ侑依を1人にしちゃうみたいだ…。」
「いやっいやっ!パパッ?!しっかりして?!」
「う゛うぅ…ごめん…なぁ…。」父親はそのまま倒れた。
「パパ?!パパ?!…パパぁぁぁー!」救急車はすぐに来たが、病院へ行く途中、息をひきとった。病名心筋梗塞、くも膜下出血。いくら子供とはいえ当時20㎏近くあった私を持ち上げた時は重かったであろう。その拍子で血管が切れたんだとか…。その後、祖父母に引き取られた私は、もう誰も不幸にしないようにと…
ー笑わなくなった。この時、私は9歳になろうとしていた。この時から、無口、無表情、無感情…そして笑わない私ができ上がった。私が笑わなくなってから、誰も不幸になる事はなかった。祖父母も元気に生きて、おととし…私が12歳の時に老衰で亡くなった。親戚が見つからない私は、以前両親と暮らしてた我が家に戻り、1人暮らしを始めた。この時、私は中学入学を控えた12歳だった。