血の記憶






全身に痛みが走った、でも気絶するほどではなかった。


私が落ちた場所には植木があったのだ。



「うっ…げほっ、は」



せき込みながらもなんとか立ち上がる。


この場所から早く逃げなければ


今ごろ部屋に入った亮が血相を変えて部屋を見渡しているはずだ。


開いたままの窓に気づくのにもそう時間はかからないだろう。


あちこちに擦り傷がある身体を引きずりながら道に出る。


痛む身体を無理やり動かしながら駆け出した。


家の近く、あともう少し。







「奈央、いた!」