血の記憶








次の日は土曜日、亮くんはサッカーの試合があるそうで久しぶりに解放された気分で家で過ごした。


家のソファーでテレビを見ていたときだった。


ピンポーンとチャイムが鳴った。


思わずドキッとした、まさか。


お母さんがちょっと待ってねーと言って玄関に向かった。



「出ないで!」



制止は間に合わず玄関の扉が開けられた。


お母さんが誰かと話す声、相手の声は聞こえてこない。


私は自分の部屋に戻って閉じこもっていたかったけど玄関にはもしかしたら亮くんがいるかもしれない。


ソファーの上で暴れる心臓を抑えつけながら玄関を凝視していた。


しばらくして玄関からお母さんが来て言った。



「あれが彼氏?いい子ねー、部屋に入って貰ったら?」


「絶対入れないから!」



玄関に向かう私の背後から喧嘩したの?とと呑気な声がかかる。


喧嘩だったらどれだけ良かったか、現実はもっと酷い。