血の記憶









「えっと、あのボールありがとう」



遠慮がちに上から降ってきた声に黙って首を横に振った。


声はでなかった


緊張からか謎のドキドキが激しくてとてもじゃないけど声がだせるような状態じゃない。


そろそろと相手の顔を見上げると予想通りの浜松くん


む、無理っ、もう限界!


顔を見ただけであっという間に心臓の限界が訪れて



「じゃ、じゃあ私はこれで」


「え、ちょっと待って!」



立ち去ろうとした私の背中にかかる声が私の動きを止めた。


恐る恐る振り返った私に浜松くんは恥ずかしそうな声で、




話したいことあるから今からちょっとだけ話せる?



そう言った。