血の記憶







『ただいまー』


「あ、お父さんだ!お帰りー」



玄関にでるとスーツを着て仕事帰りの少し疲れた顔をしている


お疲れ、声をかけながらお父さんの鞄を受け取る。


いつもはお母さんがやるけど今日は晩御飯が忙しそうだから私がお母さんの代わりだ。



『お、今日はやけに笑顔で機嫌が良さそうだな。良いことでもあったのか?』



…………そんなに私周りが気になるほどにやけてるのかな?


私は分からないから尚更気持ち悪いよね。



今なら分かる


あのときの私はもう既に好きになりかけてたんだ。


その気持ちがどれだけ悲惨な結果になるとも知らずに