血の記憶







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「ただいまー」


『あら、お帰りなさい』



家に着いていつも通りの挨拶をするといつも通り返ってくるお母さんのお帰りなさい。


鼻歌を歌いながら洗面台に行き手を洗う。


その足でリビングに向かった。



「お母さーん、なにか手伝おっか?」


『どうしたの、いつもは手伝うなんか言わないのに。なにか良いことでもあったの?』



良いこと?


頭に浮かんだのはさっきの放課後会ったあの人。


でもお母さんにそのことを言うのはなにか恥ずかしくて



「べっつにー」



咄嗟に明るくごまかした。