血の記憶







あいつと初めて話したのは夏が始まる頃。


きっかけは一つのサッカーボール


放課後帰ろうとしていた私の足元に転がってきた。


そのボールを拾い上げてしまったとき、私の運命は変わってしまったのかもしれない。



「あ、すみませーん。そのボール俺に…………って香坂!?」


「はい?」



誰だろう?


向こうは私の顔を見て驚いているけれど私には全く見覚えがなかった。


でも相手は私の名前を知っている


不思議で頭を傾げるとその人は少し気まずそうな顔をしてすみません、そう言って頭を下げて方向転換をして駆け出した。


え、ボールは?


ボールは未だに私の手の中。



「あのっ、ボール忘れてますよ!」



走り去る背中に慌てて声をかけた。