血の記憶







さっきまで外を見つめていた目はまっすぐ私に向けられていた。


そのことに驚いたのか高鳴る心臓


私もまだまだだ。


こんな翔真の視線一つに簡単に動揺して。



「………さっきごめん」



さっき?


さっきって翔真が私に怒鳴ったこと?



「なんで翔真が謝るの?あれは私の警戒心が薄かったのがいけないんだから、翔真が怒って当然よ」


「あれは………ちょっと昔の思い出して、怖くなって。気づいたら奈央に怒鳴ってた」



自分が不安だったからって……ごめん、そう呟いて俯いた。



「そんなの言わないでいいよ、助けに来てくれて嬉しかった。本当にありがとう」



それに翔真が言ったの本当のことだしね、なんて言いながら俯いてしまった翔真の頭を軽く叩いた。


不意に絡め捕られた私の手。


掴んでいる相手は翔真で、その手は妙に熱かった。