血の記憶







トントンとリズムよく階段を上がっていく。


そうして辿り着いた屋上にも翔真の姿はなく、次に空き教室、音楽室、理科室。


あちこちを覗くけどやっぱり見つからない。


どこにいるのよっ。


イライラしながら携帯を取り出し電話をかけるけどそれも翔真に繋がることはなく


ツーツーっていう無機質な音がスピーカーから鳴り響くだけ。


………そういえば祐樹が言ってたっけ。


翔真の様子がおかしかったのは峯岸さんが関係してるんじゃないかって。


もしかして今もまたあの屋上のときみたいに一人で泣いてるの?


峯岸さんと図書室で過ごした時間を思いだしながら。


ん?図書室………?


もしかしたら翔真―――――。


そこまで考えた私は次の瞬間には走り出していた。


そこにもいないかも、なんて考えは不思議と少しも頭に浮かばなかった。


翔真は図書室にいる


なんて確信しかなかった。