血の記憶






「拒絶されるのって結構きついんだよね……今日奈央が電話してきてくれたときほんとに嬉しかったんだ、やっと頼ってくれるって」


「……っ」



一番その言葉が嫌い。


頼るってなんなの、だってその方法すら忘れたし思い出したくもない。


頼った結果があれならそんなの私はできない。



「でも違ったんだね、奈央は思わず電話するほどのなにかがあったのに教えてもくれない」



「……ぁ、」



不意に立ち上がった翔真に何かを言おうと口を開いてみても私の喉からはなにもでなかった。


でたのは情けない声。


そんな私を一瞥し翔真は玄関に向かっていきこっちを振り返ることなく



「お邪魔しました」



そう言って立ち去った翔真を私は引き留めれなかった。



「……どうしろって言うのよ」



座り込んだままの私の口から漏れた言葉は無機質な壁に吸い込まれた。