血の記憶






「……ねぇ、俺嬉しかったんだよ?」



唐突に話しだすその声はあのとき保健室で聞いた声みたいに苦しそうで


思わず顔をあげた私の目に映ったのは今にも泣きだしそうに歪められた翔真。


なんで泣きそうなの……?


あまりに悲しい顔をする翔真のその頭に触れようと手を伸ばしたときだった。


パシッと乾いた音がして弾かれた私の手。


翔真に拒絶されたのだと気づいたのは私の手が力なく床に落ちたときだった。



「痛いだろ?」



翔真に言われ手を抱き抱えるように引き寄せる。


手は不思議と痛みを感じない。


痛いのはむしろ…。




心の方。