血の記憶






「え?」


「中学のとき―――ちょっとあってそれで」




全部は言えなかったし言わなかった。


でも優しい翔真はこれだけ言ったら気を使ってこれ以上聞かないと思った。


私は翔真の優しさを利用したんだ。


自分の罪を隠すため、罪から逃れるため。



「そっか……ごめん、変なこと聞いて」


「ううん、大丈夫よ」



翔真が謝ったことでまた罪悪感が募る。


過去から逃げないで立ち向かった翔真と


今も過去から逃げている私。


そんな醜い自分を見られたくなくて俯いた。



「奈央どうしたの?………やっぱりなにかあったんでしょ、今日たまに様子おかしかった」