血の記憶







一定のリズムで優しく流れる鼓動。


それを聴いている私の身体から


肩から


顔から


全身から


無駄にはいっていた力が抜けていく。



「…もう大丈夫だから」



震えがとまった手で頭を抑えつけている翔真の手を軽く叩く。


頭から翔真の手が離れホッと一息ついたときだった。


パシッと乾いた音がして私の手が掴まれた。



「ちょっと、なに…」



翔真を見上げると真剣な表情で私を見つめている。



「奈央なにがあったの?」



いつか聞かれるとは思ってたけど…。


真っ直ぐ私の目を見る翔真の目は私の過去を全て見透かしているようで思わず俯いた。