血の記憶








「着いた…、久しぶりだな」



駅から30分は歩いただろうか。


不意にボソッと独り言の様に呟いた言葉に顔をあげるとそこには確かに校舎が建っていた。


校門の前に来た私達の前には大きな二本の桜の木。


沈みかけている夕日に照らされたそれは怖いくらい綺麗だった。



「遅くなってごめん。最後の約束…、守れたよ」



桜の木に向かって語りかけている翔真の手が緩んだ。


その手からそっと自分の手を引き抜きそこから立ち去る。


誰とも繋がっていない私の手


なぜか物足りなく感じた。


することが無くなった私はフラフラと歩き回る。