血の記憶







そんな状況で話なんて聞いてられるはずがないじゃない。


自分がバカすぎて笑えてくるわ。


必死に見ないように逃げてきたこの場所にノコノコ自分からやってきたんだから。



「奈央、こっち……奈央?」



手を引いた翔真の声に我に返る。



「あっ、うん」



慌てて返事をした私に不思議そうにしながらも前を歩く翔真の背中を見つめながらソッと息を吐いた。


良かった


動揺しているのがバレなくて。


翔真が向かっている先は私が住んでいた所とは逆の方向で少し安心した。



ねぇ、これも偶然?


残酷な過去をもつ私達が同じ高校で出会って


あなたが私に自分の過去を話した。


そして私達の生まれた場所も同じ町


一回の出来事は偶然だというけれど


二回、三回続くとそれは必然になる。


でも私は信じないわ、そんなもの。