血の記憶







「…はっ………っテレビを消してくれっ」


そんなの思い出したくもない。


なんで俺は目を覚ましたんだ。


こんなの知りたくなかった。



『……具合が悪かったらナースコールをおせ』



親父はそう言うなりテレビをつけたまま病室から立ち去った。



《―――警察によると犯人は、『誰でも良かった。たまたま目についたから殺した』などと供述しているそうです》



たまたま目についたから殺した?


なんでそんな意味の分からない動機で、菜央が殺されないといけないんだ。


ただ、二人で出かけようと思っていただけだったのに。


なにか悪いことしたか?


あいつは…菜央は命を大切にしている優しいやつだった。


あんな優しいやつがなんで――――。


その時なにかがパタッと白い布団の上に落ちた。