血の記憶







《――の事件の―――が―――》



誰かの声がする。


ゆっくり閉じていた目を開けるとそこは真っ白な世界だった。


声の方に視線をやると見慣れた親父の背中。


どうやらテレビを見ているみたいで俺が起きたのに気づいていない様子。


声をかけようとした時



《――。女子中学生、一人腹部を刺され死亡しました》



アナウンサーのそんな一言。


それは俺の記憶を蘇らせるのには充分で。

真っ赤な色


崩れる菜央


最後の言葉


最後の笑顔



「……はっ、ぁ……っ」



乱れた呼吸を浅く繰り返す。



『翔真!起きたのかっ』



親父が近づいてくるのが分かる。