血の記憶







「す…きだっ、た……よ」



だった?


やめてくれ、


なんで過去形なんだよ


俺は今だって好きだ


菜央だってそうだろ……?



「だか、ら…わた……しの、こ、とすき……でいなく、てい…から」


「ふざけんなよ……、俺は菜央がいいんだって…。頼むからそんな怖いこと言うなよ」


「ごめ…、それで…も、ちゃ、とやく……そ、して」



血にまみれた白い小さな手を掲げ小指をたてた。


今までで一番儚く、


それでも


確かに笑顔を浮かべて。


俺も震える小指を菜央のもとへと運ぶ。


指は菜央の血がついていた。


現実に引き戻された気がした。


思い知らされた気がした。


これが最後なのだと―――――。