血の記憶





「…え、え?」



情けない声をあげる俺の方に顔を向けて



「私も好きです」



ニコッと頬を染めて笑った菜央は、今まで見た中で一番綺麗だった。



まさかこれが最悪の結末に向かう第一歩とは知らずに。


俺たちは笑っていた。

なにも知らずに、ただただ純粋に。



その日からは毎日が幸せで


クラスでも周りに広まるのは早かった。


初めのうちは騒いだり冷やかされたり大変だったけど、今ではもう慣れたのか何も言われなくなっていた。


その頃には俺たちも名前で呼び合うのに抵抗はなかった。



「ねぇ、菜央今度遊びに行こうよ」


「行く!翔真と私、初デートもまだだもんね!」