血の記憶





「え、長居くっ……」


「急にごめんっ、このまま聞いて」



戸惑った様子の峯岸の言葉を途中で遮る。


「こんなこと言われて困るかもしれないけど、俺峯岸のこと好きなんだ」



抱きしめている腕に力を込めて伝える。


届け。


そんな想いと一緒に。


恐ろしいほどの静寂の中、腕の中で身じろぐ。


もしかして――――。


嫌な想像が脳裏をよぎる。


最悪だ。


こんなことなら言わなければ良かった。


目をギュッと閉じた俺の背中に微かな違和感が。


え?


思わず目を開けた俺の耳に



「……峯岸じゃなくて菜央でいいよ」



峯岸……いや、菜央のそんな声が静かな空間に響く。