血の記憶





「長居くん、今日今から図書当番だよ」



そう声をかけられたのは図書委員になってから3日後の放課後だった。



「あ、そうだったけ?」



なにがそうだったけ?だ。


昨日からずっと楽しみにしてたくせに。


今だって叫びそうになるぐらい喜んでいるくせに。



「そうだよ、ほら図書室に行こう!」


「分かったよ」



妙に張り切った様子の峯岸。


着いた放課後の図書室には誰もいない。


緊張している俺には目もくれず真剣な顔で本を整理している。


俺も手伝おうと返却されている本を手に取り本棚に直そうとして重大なことに気づく。



「峯岸、これどうすればいいの?」



情けない俺の声に振り返って手の中の本を見つめ急に笑いだす。



「分からないのに図書委員になったんだ?」


「いや、だって……」



意地悪そうな笑顔を浮かべる峯岸。


しょうがないだろ。


図書当番とか考えてなかったんだから。


峯岸と話すチャンスしか頭に浮かばなかったんだから。