血の記憶





きっかけは委員会の係を決めるときだった。



「誰か図書委員をしてくれる奴いないかー」



なかなか決まらない話し合いにコッソリため息をつく。


すると前の方の席でそっと遠慮がちに上がった手に目を見張る。



「先生、私します」



その声は彼女のものだった。


頭で考えるよりも早く



「先生」


「お、長居。お前もやってくれるのか」



やるって、手が口が勝手に動いていた。



「お前が本好きなんて知らなかったぞー?まさか峯岸さん狙いか!」


「ちげぇよ、俺は元から本好きだ」



茶化してくる周りの奴らを軽くあしらう。

そんな訳ないだろ。


文字なんて漫画と教科書ぐらいしか読んだことない。