小5の俺にはまだ知るには早い感情を色々知りすぎた。

それこそ俺が負った傷は一生治らへんし、

かさぶたにもならへんやろう。

復讐の相手は母さんやない。女全員や。

後々女が誰かを捨てるんやら、それより先に、捨てられろ。

捨てられて悲しみを、

怒りを…憎しみを味わえ!

そうすれば、もう…誰も女に捨てられへん。

「有央っ?!」鍵を閉めていなかった玄関から人が入ってきた。

俺は床に寝っ転がってボーッと天井を見つめていた。

「有央っ?!いるんやろ?!」俺のいるリビングにイライラした声の人がきた。

「林檎(りんご)…。」

家に入ってきたのは葵池(あおいけ)林檎、

俺の幼馴染みやった。

「ちょっと有央っ何でそんな所で寝てるん?!それでどうしてランドセルがあんな所にあるん?!」林檎は責任感が強くてしっかりしとる。

「有央の叫び声がしとったから来てみればこの有り様!いったい何があったん?」

ついでに言うと家も隣。

「なぁ、林檎…。」あっと思い立って俺は立ち上がった。

「な…何よ…。」いくら強くても林檎は女。

無論、俺の敵や…。

「林檎って…女やったな?」

俺の奇妙な質問に絶句しとる。

当たり前か…。

「きゃっ…ちょっと有央!何してんねん!」

俺は林檎が絶句しとるうちに林檎をソファーに押し倒した。