俺は女が嫌いや。

いわゆる「女性恐怖症」ってヤツ。

だけど女遊びをしとる。

何故かって?それは、女に復讐するため。

狩人旭…これに深く関係しとるかもな。

俺が狩人旭になった理由は女に復讐するため。

女に恨みがある理由…

-母親に捨てられた。

俺が小5の時、母親は俺を捨て、男に逃げた。

当時既に親父は事故で他界しとった。

育ち盛りで手も金もかかる俺の面倒を見るのに嫌気がさしたんやろう。

俺が学校から帰ると母親の姿、荷物はなく変わりに机の上に15万が入ってる封筒が置い
てあった。

込み上げてくる悲しみとどうしよもない怒りが俺を支配して俺は思わず背負っていたランドセルを床に投げつけた。

これから俺はどうやって生きればええ?

初めて人間と人生に恐怖を覚えた。

「ッ!うぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

無惨に転がっていたランドセルをもう1度投げつけた。

今度は冷蔵庫にぶち当たった。

当たった衝撃でランドセルが開き、中に入っていたものが全て投げ出された。

その中に1つだけ、うすっぺらくて四角い紙が目に入った。

「はぁっはぁっ…写真?」手に取って見てみる。

あっ…これ覚えとる。

その写真は俺が5年の春に母さんと一緒に遠足に行った時のものやった。

2人で写真に写り、

楽しそうに笑う俺とその隣で幸せそうに微笑む…母さん。

そうか…俺はもうこの顔は2度と見れないんや。

俺は母さんに捨てられたんや…。

母さんに捨てられた

かあさんにすてられた

カアサンニステラレタ…

その瞬間、俺の中で何かがぷちっと切れた。

いつのまにか足元に落ちていた写真をもう1度手に取り、

ダイニングテーブルに足を進めた。

…あった。まだあった。灰皿…。

俺は床に座り灰皿の横に置いてあったライターを手に取り、

写真に火をつけた。

消えてしまえ。思い出なんて、全部。

忘れてしまえ…俺を裏切った女の記憶なんか。

「母さんなんて嫌いや。

人間なんて、

大人なんて…

女なんて…

皆嫌いや!

もう、誰も信じへん。

だから、誰も…俺の中に入ってくるな。」

誰もいない家に響いた俺の怒りと憎しみの声…。

俺は決めた。

"女なんてどうせ母さんと同類。
やったら…俺に寄うてきた女、全員…ボロボロになるまで遊んでやる"