「はぁ…。しょうがねぇから買ってやるか。」

夕食にアイスをつけて

と言い残して教室に戻った林檎。

林檎には色々と迷惑をかけてるから、

なるべく林檎の願いは聞き入れる様にしとる。

いや、迷惑をかけてるからだけやない。

結局はこれも林檎への罪滅ぼしなんやろう。

あいつにとってはただの優しい俺。

だけど俺は林檎に優しく接する事で、

林檎に対する罪悪感を少しでも減らそうとしとる。

俺は…何て悪い男(ヤツ)なんやろう…。

そう思いながら

俺は放課後にある仕事まで寝る事にした。

帰りの会には出るからと

ケータイのアラームをかけた。

そもそも何で

俺がグレてるのに先生が1人も来ないかって?

そんなの単純。

先生達も旭家の事情を知っとるから。

俺が捨てられた事までは知らへんけど、

両親がいないって事は知っとる。

勿論、俺が復讐をしとる事は知る訳あらへん。

「両親がいない」

それだけで同情の目を向けられた俺には

誰も俺をしかろうとしてくる奴はおらん。

だから、

俺が授業をサボろうが、

給食も食わずにコンビニで買って食おうが、

ケータイを持って来ようが、

金を持って来ようが、

誰1人怒らへん。

そう、

俺にとって学校は仕事をするのに最高な環境なんや。

誰1人邪魔してくる奴はおらん…。

ここは完全に俺のホームなんや。

そう考えていたら、俺はいつの間にか眠っていた…。