狩人旭を始めて、初めてターゲットが変わった時やった。

まだ元凶の事をはっきり、くっきり鮮明に覚えとったせいか、

強烈な気分の悪さに襲われた。

そして、初めて屋上に逃げた。

貯水槽の上に寝っ転がって空をぼーっと見てると

息を切らした林檎が屋上に入ってきた。

「はぁ、はぁ、はぁ

もう…どこにおんねん…有央ーっ有央ーっ!」

「ここにおるで。」

貯水槽の上からひょっこり顔を出した俺を見て

「やっと…見つけた。」って笑(わろ)うたんや。

その瞬間、俺は林檎を抱きたいって思うたんや。

林檎を抱けば、この気分の悪さが収まるかもしれへんって…。

「林檎俺、気分悪いねん。

だから…林檎を抱かせてくれへん?」

「はっ?何っ…ソレ…///」

「林檎を抱けば、

この気分の悪さが収まるかもしれないねん。」

「それで、有央が楽になるのなら…。」

「お願い。俺を癒してくれへん…?」

「有央が元気になるなら、

有央…私を抱いて…ええよ?」

「ありがとう。

大丈夫、優しくするから…。」

これが愛のない行為のはじまりやった。